【書感/ミステリ/ホラー】独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明)

2月 17, 2009 · Posted in ホラー, ミステリ, 伝奇, 書感 · Comment 

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

著者/訳者:平山 夢明

出版社:光文社( 2009-01-08 )

文庫 ( 318 ページ )


申し遅れまして相済みません。私は建設省国土地理院院長承認下、同院発行のユニバーサル横メルカトル図法による地形図延べ百九十七枚によって編纂されました一介の市街道路地図帖でございます。

以下の8編からなる平山夢明の短編集。

  • C10H14N2(ニコチン)と少年~乞食と老婆
  • Ωの聖餐
  • 無垢の祈り
  • オペランドの肖像
  • 卵男(エッグマン)
  • すさまじき熱帯
  • 独白するユニバーサル横メルカトル
  • 怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男

平山夢明は、怪談や都市伝説な人と思っておりました。いや、失礼しました。
嫌悪感を感じるほど醜悪でグロテスクだけど、どこか洗練されていて妙な読後感。

お気に入りは、

  • 『Ωの聖餐』…SFっぽい設定がツボでした。
  • 『無垢の祈り』…王道と言えば王道(読めば分かるはず)。
  • 『卵男』…やっぱりSFっぽい設定がry)。ミステリとしてもなかなか。
  • 『独白するユニバーサル横メルカトル』…好みのタイプのミステリ。

こうやって並べると、グロいのが苦手なのかも知れません。

読む人を選ぶのは確か。内蔵が飛び散り、人が人を喰らいます。肉体的にも精神的にも。グロいのが苦手な人は、手を出さない方が良い気がします。

【書感/ミステリ】ザビエルの首(柳 広司)

10月 15, 2008 · Posted in ミステリ, 書感 · Comment 

ザビエルの首 (講談社文庫)

著者/訳者:柳 広司

出版社:講談社( 2008-08-12 )

文庫 ( 400 ページ )



 

……主よ……主よ!……私はまだ……御許(みもと)へ参るわけには……まいりません……

 

オカルト記事を得意とするフリーライターの片瀬修平。オカルト雑誌「ワルプルギス」の編集者千住キリコより、鹿児島で発見されたという聖フランシスコ・ザビエルの首のミイラの取材を依頼される。カメラマンの新道出と訪れた鹿児島で、修平は、その首のミイラを見た瞬間、意識が過去に飛ばされる。そこは、ザビエルがある事件に巻き込まれた時間だった。

 

意識のみ過去に飛ばされた修平が、ザビエルが事件に巻き込まれた場面で、その場にいた誰かに憑依し、事件を解決すると言う趣向。この枠組みがなかなか面白い。一つ一つのエピソードが中編くらいで、読みやすいのですが、何か物足りない。

なんか、こう、ザビエルに惹かれないんですよね。

登場人物たちが魅力的なので、シリーズ化してるのかな?と思ったら単品でした。ちょっと、もったいないです。

【書感/ミステリ/ホラー】暁天の星(椹野 道流)

10月 14, 2008 · Posted in ホラー, ミステリ, 書感 · 3 Comments 

暁天の星 鬼籍通覧 (講談社文庫)

著者/訳者:椹野 道流

出版社:講談社( 2008-07-15 )

文庫 ( 392 ページ )


 

「……ミチルさん……頭が煎餅みたいになってますよこの人」

 

大阪高槻にあるO医科大学の法医学教室の院生となった伊月崇。解剖に追われる日々、列車飛び込みの女性の遺体と交通事故に巻き込まれた女性の遺体に、共通点があることに気づく。その謎を追う、崇、そして崇の幼なじみの刑事・筧兼嗣、そして伏野ミチルを始めとする法医学教室の面々。

 

講談社ノベルズの「鬼籍通覧」シリーズの文庫化第一弾です。

登場人物たちもなかなか魅力的で、ストーリー展開も読ませます。最後まで、一気に読みました。作者が「法医学教室勤務」とのことで、解剖の描写はえらく緻密。始めはミステリと思っていたのですが、ホラーだったんですね。ミステリとしては、ちょっとなしです。ラストは、ありがちな落ちだと思うのですが、背筋がゾッと。非常にライトなタッチですが、ホラーとしてはあり。軽く何かを読みたい時に、お奨めの一冊。

しかし、列車の轢死体の解剖(あんまり数は行わないみたいですが)や、水死体やら、法医学教室って大変なお仕事だなと。

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