Category Archives: ファンタジー

死神の精度(伊坂幸太郎)

死神の精度 (文春文庫)

著者/訳者:伊坂 幸太郎

出版社:文藝春秋( 2008-02-08 )

定価:¥ 570

Amazon価格:¥ 570

文庫 ( 345 ページ )

ISBN-10 : 4167745011

ISBN-13 : 9784167745011


「ミュージックショップはないか?」

 

死神の仕事。それは、人の死の七日前に現れ、その死が適切かを判断すること。死神・千葉が見定める6人の人生。

 

死神を主人公にした短編連作ミステリです。

結末にあるのは死。この手の話は何とも言えない閉塞感があったりするのですが、この小説はそれを感じません。伊坂幸太郎得意の構成の巧みさと死神のキャラクターがそうさせるのだと思います。人とは全く違う思想。だけど音楽好きでCDショップで延々と視聴をしたりする。人間らしくて人間らしくないところが、とても人間らしいのです。

構成もニヤリって感じで、伊坂節。特に最終話には参りました。

MAMA(紅玉いづき)

MAMA (電撃文庫)

著者/訳者:紅玉 いづき

出版社:メディアワークス( 2008-02-10 )

定価:¥ 578

Amazon価格:¥ 578

文庫 ( 281 ページ )

ISBN-10 : 4840241597

ISBN-13 : 9784840241595


「ボクの幸せを願った人が、ボクの愛した人を、呪うとは思えない。」

 

ガーダルシア王国を支える魔術集団サルバドール。その魔術師達を養成する学舎で落ちこぼれの少女トトが人喰いの魔物と出会う。

 

2007年の電撃大賞受賞作「ミミズクと夜の王」でライトノベルの新しい地平を築いた紅玉いづきの一年ぶりの新作です。サイクルの早いライトノベル界の中で、一年間、じっくり書かせるとは、かなり大切にされているようです。

表題作MAMAとその後日談ANDの二編からなります。前作と同様、ライトノベルらしさが無い作品。童話というか、フォークロアというか。
人喰いの魔物のママとなった少女が、本当の意味での母となるまでのお話と、良き親となっていることが垣間見えるエピソード。

紅玉さんの作品は、「物語を紡ぐ」という言葉がよく似合います。

優しく強く、物語を紡いでます。

ただ、残念に感じた部分もありました。トトが成長していくにつれ、少し失速していく印象が。大人を描くのが、まだ、不得手なのかなぁ。

 

拙さもある作品ですが、良作です。

精霊探偵(梶尾信治)

精霊探偵 (新潮文庫)

著者/訳者:梶尾 真治

出版社:新潮社( 2008-01-29 )

定価:¥ 620

文庫 ( 423 ページ )

ISBN-10 : 4101490090

ISBN-13 : 9784101490090


やっぱり、人間の暮らしって、ちょっとした緊張と驚き、それから少々のお金って必要なんだぁって思うよ

主人公の新海は、交通事故で同乗していた妻を亡くし、失意の日々を送っていた。日がな一日世間と接触せず無気力に過ごす日々。新海の住むマンションの一階にある喫茶店「そめちめ」のマスター夫婦は、彼を心配し人探しの仕事を依頼する。新海が、捜し物を探し当てたり、他人が分からないようなことを言い当てることがあったからだ。海道は、その事故以来、人の背後霊を見ることができるようになっていた。

梶尾信治さんは初読。
正統派ミステリではありません。
あえて言うなら、SFファンタジー・プチハードボイルドミステリでしょうか。背後霊が見える探偵のミステリかと思っていたら、だんだん、SFに。と思ったらファンタジーに。各所にハードボイルテイストが散りばめられ…。

と油断して読んでいたら、最後はやられました。
綺麗にミステリオチです。

ちょっと僕の読書体験の中では異色の作品でしたが、楽しませていただきました。