【書感/童話】ドコカの国にようこそ!(大海赫)
一つ ヒグマにどやされて
二つ ふるえて服を着せ
三つ みじめに日がさ売り
四つ よろよろまちをはい
五つ いやいや紙を食い
六つ むちゅうでワシを追い
七つ なくなくおおわらい
八つ やきもき日をおがみ
九つ ころしてこしがぬけ
十でとうとうドコカの国へ
小学四年になってもおねしょが治らないフトシは、それが原因で、クラスメイトからも虐められていました。ある日、フトシは不思議な夢の中で、サラバというさむらいと出会いました。そして、初めておねしょをしない朝を迎えます。その朝、ご飯を食べるとき、フトシはサラバからの手紙を見つけます。そこには、こう書かれていました。「ぜひ、ドコカの国におむかえしたい。」と。
不条理で不可思議なストーリー展開にグイグイと引き込まれます。その内容は、子供の時に読んでいたら、トラウマ確実。ってか、大人が読んでもトラウマになるわっ。
これは、子供達に無理矢理にでも、読ませるべき本です。
西の魔女が死んだ(梨木香歩)
「認めざるをえない」
まいは小さく呻るように呟いた。この言葉は初めてつかう言葉だ。まいはちょっと大人になった気がした。
「それは認めざるをえないわ」
まいはもう一度呟いた。これですっかりこの言葉を自分のものにできた気がした。
もう学校には行かないという中学生のまい。まいは、おばあちゃんの元で暮らすことになります。おばあちゃんは、自分には魔女の力があると言い、そこで、まいは、魔女の修行を始めます。
おばあちゃんは言います。「魔女になるためにいちばん大切なのは、意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。」
自然と共に暮らすおばあちゃん。シーツはラベンダーの茂みに干します。そうすれば、シーツにラベンダーの香りが移って、よく眠れるそうです。おばあちゃんの作るジャム、キッシュ…。育て、作り、食べる生活。
そこには、知恵があり、力があります。
表題作の『西の魔女が死んだ』と、その後のまいの話を描いた『渡りの一日』の二編。大人になってから読んだ方が、心にしみる童話かもしれません。







