【書感/童話】ドコカの国にようこそ!(大海赫)

12月 30, 2008 · Posted in 書感, 童話 · Comment 

ドコカの国にようこそ! (fukkan.com)

著者/訳者:大海 赫

出版社:ブッキング( 2004-03 )

単行本 ( 111 ページ )


一つ ヒグマにどやされて
二つ ふるえて服を着せ
三つ みじめに日がさ売り
四つ よろよろまちをはい
五つ いやいや紙を食い
六つ むちゅうでワシを追い
七つ なくなくおおわらい
八つ やきもき日をおがみ
九つ ころしてこしがぬけ
十でとうとうドコカの国へ

小学四年になってもおねしょが治らないフトシは、それが原因で、クラスメイトからも虐められていました。ある日、フトシは不思議な夢の中で、サラバというさむらいと出会いました。そして、初めておねしょをしない朝を迎えます。その朝、ご飯を食べるとき、フトシはサラバからの手紙を見つけます。そこには、こう書かれていました。「ぜひ、ドコカの国におむかえしたい。」と。

不条理で不可思議なストーリー展開にグイグイと引き込まれます。その内容は、子供の時に読んでいたら、トラウマ確実。ってか、大人が読んでもトラウマになるわっ。

これは、子供達に無理矢理にでも、読ませるべき本です。

西の魔女が死んだ(梨木香歩)

2月 29, 2008 · Posted in 書感, 童話 · Comment 

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

著者/訳者:梨木 香歩

出版社:新潮社( 2001-07 )

文庫 ( 226 ページ )


「認めざるをえない」

まいは小さく呻るように呟いた。この言葉は初めてつかう言葉だ。まいはちょっと大人になった気がした。

「それは認めざるをえないわ」

まいはもう一度呟いた。これですっかりこの言葉を自分のものにできた気がした。

 

もう学校には行かないという中学生のまい。まいは、おばあちゃんの元で暮らすことになります。おばあちゃんは、自分には魔女の力があると言い、そこで、まいは、魔女の修行を始めます。

おばあちゃんは言います。「魔女になるためにいちばん大切なのは、意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。」

 

自然と共に暮らすおばあちゃん。シーツはラベンダーの茂みに干します。そうすれば、シーツにラベンダーの香りが移って、よく眠れるそうです。おばあちゃんの作るジャム、キッシュ…。育て、作り、食べる生活。

そこには、知恵があり、力があります。

表題作の『西の魔女が死んだ』と、その後のまいの話を描いた『渡りの一日』の二編。大人になってから読んだ方が、心にしみる童話かもしれません。